良い矯正歯科医の見分け方
治療期間も長く、費用負担も大きい矯正治療。治療を任せる医院や医師をどのように選んだら良いか不安に感じられることはありませんか。ここでは、きちんとした矯正歯科医かどうかを見分ける5つのポイントを紹介しています。
当院では患者さんに対して「資料に基づいた情報」をきちんとお伝えするよう心がけています。
ポイント1:十分な検査と、検査結果に基づいた説明がされているか
通常、矯正治療を始める前には、以下の検査が必要になります。
- 口腔内写真・顔貌写真
- 頭部X線規格写真(セファロ)
- パノラマX線写真(またはデジタルX線写真)
- お口の模型
- 上下の咬み合せの採取
ですが、これらはコストがかかるため、きちんと検査をしない矯正歯科医がいます。また、自院の患者さんにはきちんと検査をしても、非常勤で治療を行う他医院では検査をしない矯正歯科医もいます。
最初にきちんと検査をせず、検査をしても十分な説明をせずに治療が始まる場合には、転院をお勧めします。
ポイント2:治療の方法と治療期間の説明があるか
治療期間や治療方法は、患者さんによって異なります。お口の中を拝見し、検査をしないと、その方に適した矯正治療法は何か、どのくらいの治療期間がかかるか正確にお話しすることはできません。逆にいえば、検査をしたのに治療期間と費用について確定した説明がなかったり、内容がコロコロ変わる場合は問題があります。
当院では、安心して矯正治療に集中していただくためにも、治療開始時に治療方法と治療期間について、きちんとご説明いたします。
ポイント3:患者さんに多くの情報と選べる選択肢を伝えているか
医師が全てを判断し、患者さんは完全に受身という治療は、極力避けるべきです。当院では、できるだけ多くの選択肢を提示し、患者さんの納得のいく治療法を選択していただくようにしています。
ポイント4:デメリットも伝えているか
矯正治療は、美しい歯並びや口元、きちんとした咬み合せを作る一方で、患者さんによっては抜歯の必要があったり、治療期間が長くかかったりする場合があります。矯正治療中、個人差はあるものの痛みがでる場合もありますし、体質によってはむし歯のリスクが高まります。
「短期間での治療」「抜歯しない治療」「見えない治療」「ワイヤーを使わない治療」など、患者さんにメリットしか伝えない場合は、矯正歯科医としてフェアな姿勢ではありません。
デメリットも説明した上で、患者さんと医師が協力してデメリットを回避する対策をとっていくのが理想的です。
ポイント5:治療期間が延びた場合は、その理由の説明があるか
治療を始める前にお話しした治療期間が延びてしまう場合があります。期間が延びることが分かった時点でそのことをお知らせし、その理由をご説明しないと、患者さんもいつまで治療が続くのかご不安ではないでしょうか。
当院では、患者さんにお願いしているゴムやヘッドギアを、ご自宅で付けていただいていないことが原因の場合が多いのですが、原因が医院側にある場合も、その理由をきちんとご説明しています。
また、治療ごとにワイヤー調整料のかかる医院もありますが、あらかじめ治療料金に調整料まで含まれる場合の方が、治療期間が延びた分は医院側の負担となりますので、期間に対してより責任をもって治療にあたる傾向にあるかもしれません。
矯正治療について
【治療内容】
スタンダードエッジワイズ法を用いて歯を動かし、歯並びや口元・咬み合わせを整えていきます。
【治療期間及び回数】
動的治療期間:約2~3年程度、通院回数 24~36回(月に1回程度)
保定期間:約2年程度、通院回数 6回(4か月に1回程度)
【標準的な費用(自費)】
子どもの矯正:第Ⅰ期治療 約30~50万円、第Ⅱ期治療 約40~70万円
中高生・大人の矯正:約80~120万円
【リスク 副作用】
初めて装置を装着した時やワイヤー調整後は、噛むと痛みを感じたり、違和感を持つ場合があります。
矯正治療中は歯磨きしにくい部分ができるため、むし歯や歯周病になるリスクが高くなります。
歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こる場合があります。
歯並びを整え、咬み合わせを改善するため、やむを得ず健康な歯を抜くことがあります。
リテーナー(保定装置)を使わずに放っておくと、治療前の状態に後戻りすることがあります。
※ 矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。