2007年2月アーカイブ

温故知新2

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shapeimage_2.png前回の温故知新ではスタンダードエッジワイズとプレアジャステッドエッジワイズの違いをお話ししました.今回はその続きです.プレアジャステッドエッジワイズアプライアンスの総本家みたいな存在がストレートワイヤーアプライアンスです.プレアジャストだのストレートだの色々言い方があるのはストレートワイヤーという名前が商標登録してあったりで一般名詞として使いづらいからだと思います.ストレートワイヤーアプライアンスはアンドリュース先生というアメリカの矯正医がその原型を作りました.120症例の理想的な咬み合わせの模型をよく観察し,上下の歯がきちんと咬むための法則を見いだし,この法則を治療に役立てるために歯根の傾き,歯面の傾き,歯の厚みの情報を平均値としてブラケットに組み込み平らな歯列の形をしたワイヤー(多くの既製品が売られています)をいれればある程度の状態に並ぶ様に装置を作りました.(ブラケットが正しい位置についていることが前提です.実はこれが一番難しいのですが.)さて,この装置が登場したおかげで,矯正歯科医はワイヤーを曲げる苦労から解放され,患者さんはチェアータイムが短くなってと矯正材料の製造販売会社のパンフレットには耳障りのいい言葉がたくさん並んでいます.でもちょっと待ってください.ブラケットがもつ情報は平均値です.その患者さん固有の情報をもつわけではありません.最終的なワイヤーの調節は避けては通れないのです.

歯科矯正という狭い分野でも数多くのサプライヤーが存在し,各社固有のプレアジャステッドアプライアンスがあり各装置を開発した権威が自らが組み込んだ平均値がもっとも治療に役立つと謳っています.ストレートワイヤーアプライアンスはアメリカで作られましたから,組み込まれた平均値はアメリカ人の値です.アメリカ人と日本人の平均値は異なります.そこで日本人の平均値を求め日本人用のブラケットを開発した人がいました.ある学会でその先生に質問する機会がありました.で清水の舞台から飛び降りたつもりで質問しました.「アメリカ人と日本人の平均値の差と日本人個人個人の値のバラツキはどちらが大きいのですか?」と.明確な返答はいただけなかったと記憶しております.


ストレートでもスタンダードでも,どちらの装置でもきちんとすればきちんと治ります.


最終的には患者さん個々の歯の形,歯列弓の形に合わせて最終的な調節を行うのが基本です.この最終的な調節の際に平均値が組み込まれたプレアジャステッドアプライアンスを使っているとワイヤーの曲げをプラスする場合とマイナスする場合と両方が出てきます.調節は三次元的に行う必要がありますからすごく複雑になります. スタンダードだと曲げの量だけ調節すればいいので単純に調節できます.また材料のコストもスタンダードの方が低いです.ワイヤーを曲げる技術を少しだけ習熟する必要はありますが,スタンダードの方がより質の高い治療を低コストで提供できるシステムだと私は思い選択しています.


写真は上海,外灘からみえる対岸の夜景です.エッジワイズ装置はAngleにより1928年に導入されました.その1年後に上海和平飯店北楼(ピースホテル,不動産王サッスーン財閥が1929年に建設したアールデコスタイルの旧サッスーンハウス。上海の傑出した近代高層建築。)が建てられました.

村上春樹さん

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shapeimage_2.png本は読む方だと思います.一人で生活しているときは本ばかり読んでいました.(嘘ですお酒も飲んでいました.)家族と生活する様になってからなかなか本を読む時間がとれないのが悩みです.写真は今朝机の上に合った本です.「餃子屋と高級フレンチ....」本屋さんで見つけ読みました.読み物としてもおもしろく会計の基礎が学べます.「メディカルサポートコーチング」後輩に勧められて読みました.「ブラバン」東京駅で買い求め読み始めましたがまだ途中です.「ハルキムラカミと言葉の音楽」アメリカ人の書いた村上春樹についての本です.「中国行きのスロウ・ボート」 ハルキムラカミと言葉の音楽をよんでいたら,読みたくなって引っ張り出してきました.色んな本を読みますが,この人の本は全文読んだという作家さんは村上春樹さんと野田知佑さんくらいです.今日は村上さんについて書きたいと思います.高校の同級生の部屋に遊びに行ったときに「1973年のピンボール」があり読み始めたのがきっかけだったと思います.それから「風の歌を聴け」をよんで,後は順番に新刊を書店で見つけると買うというパターンになったと思います.ただ世の中でハルキストと呼ばれる人たちほど熱狂的ではありません.その証拠に写真の「中国行きのスロウ・ボート」は13版でした.

そんな私ですが(ってどんなわたし?)人生の節目節目で村上春樹さんの本に救われた気がします.縁があるんでしょうね. 現時点で考えて人生で3番目くらいにつらい時期に「国境の南,太陽の西」を読みました.気分が軽くなりました.一番つらかった時期の入り口で「海辺のカフカ」を貪るように読み,踏みとどまることができました.「アフターダーク」は文字どおりアフターダークとなってくれました.これから先の人生でもお世話になるのでしょうか?

なかには読了するがつらかった本もありますが,ほとんどが一気に読んでしまえる本でした.

読者とのメールを使ったQ&A集も村上さんの人柄を伺うことができ楽しめます.私自身メールを出したことはありません.だいたい気づいたときには期間が終了しています.「週間カフカ」「一つ村上さんでやってみるか」を読みました.時間が出来たら「これだけは.・・・」と「そうだ.・・」も読んでみたいと思っています.

一番のお薦めの本は「地球のはぐれ方」です.ゆるくてとても素敵です.小説ではありませんが.

温故知新

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shapeimage_2.png今日は矯正のお話です.うちの矯正歯科院で用いているシステムはスタンダードエッジワイズです.矯正治療で最もメジャーな方法はブラケット(金属やセラミックの小さな金具です.ブレースとも言います)とワイヤーで歯を動かすシステムです.エッジワイズ装置といいます.その中にスタンダードとプレアジャステッドがあります.違いを簡単に言えば,スタンダードはワイヤーを個人個人の患者さんにあわせて曲げるフルオーダーメイドの治療になります.プレアジャステッドアプライアンスは歯の厚み,歯面の傾斜,歯根傾斜の情報がブラケットに組み込んであるので歯列弓の形の平らなワイヤーを入れて治療を行う装置です.歯列の形をした既製のワイヤーを用いるのが一般的です.ブラケットに組み込まれた情報は平均値です.たとえて言うと既製服ですね.


どちらの装置もきちんとすればきちんと治ります.


最終的には患者さん個々の歯の形,歯列弓の形に合わせて最終的な調節を行うのが基本です.この最終的な調節の際に平均値が組み込まれたプレアジャステッドアプライアンスを使っているとワイヤーの曲げをプラスする場合とマイナスする場合と両方が出てきます.調節は三次元的に行う必要がありますからすごく複雑になります. スタンダードだと曲げの量だけ調節すればいいので単純に調節できます.くり返しますが最終的に個々の患者さんの状態に合わせた調節を行うのはスタンダードエッジワイズの方が簡単にできます.また材料のコストもスタンダードの方が低いです.ワイヤーを曲げる技術を少し習熟する必要はありますが,スタンダードの方がより質の高い治療を低コストで提供できるシステムだと私は思い選択しています.

もっと詳しくお知りになりたい方はこちら

はいさい

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shapeimage_2.png沖縄にいって来ました.所属している研究会が30周年を迎えるにあたり,記念大会を名護市の万国津梁館で行うことが企画されていまして,その視察に便乗して沖縄に行ってきました.この会は矯正専門医のあつまりです.毎回参加者は治療が終了した患者さんの資料を持参しそれを会員に提示することが義務づけられています(個人の特定はできないように個人情報は保護されています).日々に流され,ややもすると低下しがちなモチベーションを維持し,全ての患者さんに対してベストな治療を提供できるための修練の場として研究会があります.(あくまでも私にとってですが,多くの先生達が同じ考えで参加していらっしゃいます.)日常で治療結果を評価される機会は通常ありません.特に年齢があがるほどその傾向に拍車がかかります.最低1年に1回,このような機会がもてる我々は幸せ者です.治療結果に対して他のドクターの意見を聞くことはとても勉強になります.また,治療の質の向上に役立っています.

沖縄は2回目でした.半袖でも大丈夫でした.万国津梁館は2000年のサミットの会場だったところです.とても綺麗な海に囲まれた素敵な会議場でした.写真はオーシャンホールの入り口から海をみたところです.唯一の心配はこんな景色が隣にあったら勉強なんかしたくなくなる?という点です.それ以外は申し分のない会議場です.是非記念大会はここでやりたいと思いました.詳しくはこちら


小児救急

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shapeimage_2.png写真は玄関のスイートピーです.いつも相模原市千代田のフラワーミナミさんで買ってきます.とてもいい香りがします.やっぱり生きているお花はいいですね.

2月18日の日曜日の朝日新聞9面に政府は医療費削減が必要だと声高に叫んでいるが,日本の医療費は先進国中低い方である(対GDP比,OECD経済協力開発機構調べ,日本は8.0%,ドイツ10.6%, フランス10.5%, 米国15.3%, 英国8.1%).という意見が紹介されていました.英国はブレアさんの下で抑制されていた医療費を段階的に上げている途中です.10%超までもっていく予定のようです.このデータからみると日本は医療費は比較的少なめなんですね.今,医療費を抑制するのはいろんな意味で得策ではないと思うのですが...国の財政が逼迫しているのはわかりますが上記のデータが無駄は他にあると言っている様な気がします.

そういえば「生む機械」発言をした大臣がまた失言?しましたね.「産婦人科医師が減少したのは少子化の結果,産婦人科が必要とされなくなったからだ.」.....実際はその激務と責任の重さに耐えかねてやめる医師がおり,また,志す医師数が減少しているからです.現状を認識されておられないという点でこの発言の方が大臣としては問題があると思いますが,あまりマスコミには取り上げられませんでした.

小児科の現状もとても大変でお医者さんの皆さんはとてもがんばっておられることを克明に記述した本を読みました.(小児救急「悲しみの家族たち」の物語,鈴木敦秋,講談社)

とても良い本です.泣いてしましました.泣いただけではなく,より良い医療の環境を求めて行くにはまず現状を知ろうとする努力が必要だと痛切に感じました.そして各自が自分の身の回りで「おかしいな!」と思うことを一つ一つ直していく努力を始めていくしかないのかなと思いました.でもそれが難しいんですね.私も自分なりに歯科矯正の分野でがんばっていきたいと思います.

暖かいですね

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shapeimage_2.png今年の冬は暖かいですね.過ごしやすいのは何よりですが,寒さが必要なお仕事の方はたいへんでしょうね.写真は昨年開院時のものです.左側のあおはだ,右側のひめしゃらに青々と葉が茂っています.よーくみるとひめしゃらに白いかわいいお花が咲いています.今日の診療室まえには暖かいとはいえ冬ですので葉っぱはありません.代わりに,黄色とオレンジのディモルホセカ(アフリカ金盞花)が元気に咲いています.外構は愛川町の大智ガーデンさんにお願いしました.とってもセンスの良い駐車場になりました.ありがとうございました.

Blogはじめました.

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shapeimage_2.png初めまして,神奈川県相模原市の歯科矯正専門医院,星歯科矯正,院長の星隆夫です.とはいえこのページを見にきてくださる方のほとんどは顔見知りの方だと思います.初めてましての方,本当にありがとうございます.昨年5月(2007年5月15日)の開院より9か月が過ぎました.最近やっと地域の皆様に医院の存在を知っていただけたかなと感じております.患者様も旧相模原市域だけでなく,新相模原市域の城山町,相模湖町,また座間市,遠くは杉並,世田谷からもご来院いただいております.大変ありがとうございます.ご来院いただきました患者様に最短の期間で最高の質の矯正治療が提供できますようにスタッフ共々,日々,研鑽を積んでおります.

開院当初より「星歯科矯正」のホームページを開設し皆様に情報を発信しておりますが,なにぶん速報性が乏しく休診日のお知らせなどができない状態でした.その点を改善すべく今回ブログを始めました.あまりお役に立たないかもしれませんがたまに遊びに来てください.上の写真はイソギンチャクだと思います.最初のテンプレート入っていた写真をそのまま拝借しています.きれいですね.

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