あけましておめでとうございます。
本年も星歯科矯正をよろしくお願いいたします。
今日の話題は大晦日の朝日新聞朝刊からです。
7面に茂木健一郎さんのインタビューが載っていました。10年後の日本を予測しようという企画のようです。
茂木さんは一昨年の与五沢矯正研究会で養老孟司先生と共に特別講演をしていただきました。その際にお話させていただき、本当に頭の良い方だなと思ったのを覚えています。ただ養老先生の隣でかなり緊張していた様にお見受けしました。
新聞記事に話を戻します。「未来は予測するものではない。自分で創るもの」と最初に言い切ってからコメントを始める。さすがに頭がいいですね。
その上でご自分が思っている考えを述べる。たとえば「古いものは残る」であるとか。「人間は変化の方向を予測するのは得意だがその量を予測するのが苦手」だとか
(例を引用します。
『インターネットがこれからは大切だ』ということは一昔前から論理的には明らかだったが感覚的にヤフーやグーグルがこれほど大きなプレゼンス(存在)になるとは誰も予想しなかった。
引用ここまで)
「人間は変化の方向を予測するのは得意だがその量を予測するのが苦手」このお話は、矯正歯科臨床の問題点と全く一緒ですね。
我々が患者さんの診断をするときに患者さんの資料をみればその人がどんな不正咬合に育っていくか方向性(下の顎が大きくなるか上の顎が大きくなるか、顔が長くなるかどうかなど)は予測がつきます。それがどれくらい大きくなるかはなかなか読み切ることが難しいですね。現在の科学をもってしてもその人が最終的に身長何センチになるかは予測できませんから。内輪話で恐縮ですが上顎が大きくなるタイプの患者さんに出っ歯の治療の話をした後に注意事項として下の顎が大きくなり手術が必要であるというような説明をする矯正専門医の方を私は知っています。この先生は方向の予測すらできないんですね。こんな人は私は専門医ではないと思います。
また話が脱線しました。茂木さんの記事に話を戻しましょう。
最後に茂木さんは今やるべき課題を述べています。それは「官もかわること」官の変化のスピードが遅すぎて弊害が多い、「徹底した人事交流、人材登用の流動化」によって官もスピードアップしなければならないと述べています。ダイナミックな交流を通じてふれあうことで共感し、感化される「感化力」が大切である。と締められています。
大変、意味深い言葉であるともいます。矯正の世界に置き換えてみると、我々が専門医制度を確立すべく行っている活動に光が見えるような気がしてきました。
そういえば大晦日の朝日のトップ記事は「専門医師認定54人不正」でした。
これにまつわるお話は次回にします。
みなさま、本年もよろしくお願いします。