2008年7月アーカイブ

ジーン・ワルツ

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前言を撤回します。海堂さんの小説は面白いです。昨日買い求めたジーン・ワルツ今、読了しました。面白かったです。そして、母と子の物語にフィクションだとわかっていてもないてしまいました。魔女こと曾根崎理恵先生にお会いしてみたくなりました。

曾根崎先生が医学部学生に講義している場面のセリフを引用します。

「今から半世紀ほど前の1960年(昭和35年)には、周産期死亡は1000人中45人でした。今は1000人中4人になってるわ。ここからわかることは、ふたつ。こうした減少を達成できたのは、現場の産婦人科医療の絶え間ない努力の産物であること。これからもうひとつ。これほど医療が進歩した今でも、赤ちゃんは千人中4人は死産するということ。」


生まれて当たり前ではない。普通のお産でも死ぬ可能性があるということである。その確立を下げてくれたお医者さん達に感謝。それと、無事に生んでくれたママと無事に生まれてくれた息子に感謝。


私も歯科矯正を生業とする歯科医師であり、医療を行う人たちの末席に就いてはいる。でも、命を救ってくれるお医者さんや、痛みという苦痛から解放してくれる一般歯科の歯医者さんと比べると、歯並び噛み合わせをいくら上手に早く治せても「医療の一翼を担ってます!」って胸を張れないような気がしてました。矯正治療で失敗しても死にはしないし。でもね。だからこそ、死なないからこそ。施術する側の人間達が治療の質を担保する仕組みを作る必要があるんでないかい。とおもいます。今までのひとはそういうことをやってこなかったと私は思っています。放置したら、私が今非難した今までの人と同じになってしまいます。次の世代によりよいものを残せるように、自分にできる事しかできませんがやっていきたいと思います。


桜宮市のモデルは仙台市ですかね。誰か教えてください。新潟ではないよね。東城大学だし。

医学のたまご

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最近、海堂尊さんの本にはまっている。凄く面白いわけではないが、医療の分野、大学での研究等、私にとって身近なテーマが取り扱ってあり、そのメッセージにとても共感できる。それでついつい新しい本を買ってしまう。さて次は「ジーンワルツ」を買いに行かなくては。

先程「医学のたまご」をよみおえた。作者の海堂さんはあとがきで「もっとも、現実では藤田教授みたいな医師は少ないのですが」と書いておられるが、結構いるよね。と思った。大なり小なり、みんなそういう面をもっているよねと思った。ま!海堂さんも「いない」とは言ってない。この辺が味噌かな。藤田教授の人となりは皆さん本を読んでください。


感動したセリフを引用します。

主人公のカオルくんに宛てたお父さんからのメールです。


「ディア、カオル。君は大切な人を失ってしまったかもしれない、と言った。それは仕方のないことだ。何かをしたら、何かを失う。それが怖くて人は何もしなくなっていく。でもそれは間違いだ。カオルは大切な人を失ってしまったと考えているかもしれない。でもそれは、ほんの束の間、君の前から姿を消すだけ。その人の心の中には、カオルが勇気を持って立ち上がった姿がずっと生き続けるだろう。君の心の中で、大切なその人の勇気ある姿がいつまでも燦然と輝いているのと同じように。」


本を読んでない人には何のことかわからないと思います。がこのセリフを歯科矯正領域の専門医制度をきちんとしようと活動している。すべての人に読んでいただきたいと思いました。特に深町会長に。

そばもん

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「そうやってハードルを下げていけばキリがないぜ。仕舞いには駄そば屋になって仕事に誇りがもてなくなるがそれでもいいのか?」

ビックコミック8.17増刊号そばもん主人公のそば職人、矢代 稜のせりふです。

私も駄歯科矯正医にならないようにハードルは高いまま維持したいと思います。

興味があったらビックコミックみてください。説教くさい漫画は最近嫌いですが、これは共感しました。

インビザライン

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今年も半分が終わりました。残り半分も充実させましょう。

先日の日本矯正歯科協会市民公開講座での質問の回答案を作成しました。

私なりの意見ですのでここに収録したいと思います。


質問はインビザラインでの治療を予定しているが大丈夫か?というモノでした。


回答

拝啓 初夏の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。過日はお足元の悪い中、JIO市民公開講座にお運びいただきましてありがとうございました。また、質問票のご提出ありがとうございました。インビザラインでの治療をお考えだそうですね。インビザラインは比較的あたらしい治療法です。できる歯の動きと、できない歯の動きがあります。たとえば、歯の挺出(もぐっている歯を引き出す。)や、まるい歯の捻転(歯の捻れ)を直す事には適していません。ですから、従来のマルチブラケット法と同等の仕上がりの質を得るためには、部分的なエッジワイズ装置を用いる事が必要になることが多いです。または、仕上げのために短期間マルチブラケットを装着する事を勧める先生もいます。担当の先生から上記のような装置の利点欠点の説明がなされた上でインビザラインでの治療を選択されるのであれば特に問題はないかと思います。

○○様の矯正治療がスムースに行われ、歯並びとかみ合わせが○○様にとって最適な状態になることを願っております。

敬具


会としての解答を意識しているので、強くは書いていないが、インビザラインだけでは従来のマルチブラケットでの治療の質には到底及ばない。と思う。

サンアントニオで開業しているノリスの症例はインビザライン治療しているにもかかわらず、すばらしい仕上がりだった。質問したところ、最後に46か月マルチブラケット装置で仕上げをしているとのこと。それでなければ自分の治療のゴールにはならないからとこともなげに言った。まだ若いのにきちんとしたOrthodontisitであった。

一方、さる大学の教授のボドの症例はきちんと咬んでいなかった。インビザラインだけで治した症例であった。さもありなん。でも同じアメリカ人でどうしてこんなに違うのか?ボドがマルチブラケットで治した症例を見て合点がいった。全然咬んでいない。はっきり言おう。へたくそであった。結局、彼の目指す治療結果の質がとっても低いのである。だから、インビザラインだけで治療できるのである。と私は理解した。

インビザラインは日本の薬事も通っていない。

症例を選べば有用な装置かもしれない。でもね。けっきょくは補助装置ですよ。

何より、装置の装着中に上下の歯が咬まないのがどうも、気持ちよくない。

私は治療結果の質が下がるような装置を市場に出すべきではないと思う。

業界の倫理が問われるのではないか?

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