今年も半分が終わりました。残り半分も充実させましょう。
先日の日本矯正歯科協会市民公開講座での質問の回答案を作成しました。
私なりの意見ですのでここに収録したいと思います。
質問はインビザラインでの治療を予定しているが大丈夫か?というモノでした。
回答
拝啓 初夏の候、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。過日はお足元の悪い中、JIO市民公開講座にお運びいただきましてありがとうございました。また、質問票のご提出ありがとうございました。インビザラインでの治療をお考えだそうですね。インビザラインは比較的あたらしい治療法です。できる歯の動きと、できない歯の動きがあります。たとえば、歯の挺出(もぐっている歯を引き出す。)や、まるい歯の捻転(歯の捻れ)を直す事には適していません。ですから、従来のマルチブラケット法と同等の仕上がりの質を得るためには、部分的なエッジワイズ装置を用いる事が必要になることが多いです。または、仕上げのために短期間マルチブラケットを装着する事を勧める先生もいます。担当の先生から上記のような装置の利点欠点の説明がなされた上でインビザラインでの治療を選択されるのであれば特に問題はないかと思います。
○○様の矯正治療がスムースに行われ、歯並びとかみ合わせが○○様にとって最適な状態になることを願っております。
敬具
会としての解答を意識しているので、強くは書いていないが、インビザラインだけでは従来のマルチブラケットでの治療の質には到底及ばない。と思う。
サンアントニオで開業しているノリスの症例はインビザライン治療しているにもかかわらず、すばらしい仕上がりだった。質問したところ、最後に4−6か月マルチブラケット装置で仕上げをしているとのこと。それでなければ自分の治療のゴールにはならないからとこともなげに言った。まだ若いのにきちんとしたOrthodontisitであった。
一方、さる大学の教授のボ○ドの症例はきちんと咬んでいなかった。インビザラインだけで治した症例であった。さもありなん。でも同じアメリカ人でどうしてこんなに違うのか?ボ○ドがマルチブラケットで治した症例を見て合点がいった。全然咬んでいない。はっきり言おう。へたくそであった。結局、彼の目指す治療結果の質がとっても低いのである。だから、インビザラインだけで治療できるのである。と私は理解した。
インビザラインは日本の薬事も通っていない。
症例を選べば有用な装置かもしれない。でもね。けっきょくは補助装置ですよ。
何より、装置の装着中に上下の歯が咬まないのがどうも、気持ちよくない。
私は治療結果の質が下がるような装置を市場に出すべきではないと思う。
業界の倫理が問われるのではないか?