昨日今日とIncognitoの講習会に参加してきました。開発者のDr.Wiechmannと懇親会でお話しさせていただきました。とてもクレバーでした。
講演中私の心の琴線に触れことを言っていました。
「あるセルフリゲートのブラケットを使っている人々(○ーモンだね)がそのブラケットを使うと拡大ができるといっているがそんなことはない。拡大ができるのはワイヤーの力で、拡大を使用としているのは術者の治療方針である。」
いやーいいこといいますね。当たり前だのクラッカー。
どんな装置でも拡大はできますよ。どんな症例でもね。でも拡大が最適な治療方針で美しく安定性のある咬合とプロファイルを作り出すかどうかは・・・・・・・
もう一つ「いいこと」いってました。
「リンガルブラケットだからといって、診断は変わらない。当たり前のことでしょ!抜歯部位も変わらない。あたりまえでしょ。ブラケットの位置が変わるだけで人間が変わるわけではないのだから。」
ごもっともで、リンガルだと下顎がロスしないからとかボーイングエフェクトがあるからとか難しいからとかで、抜歯部位をかえる人たちがいる。そもそも、リンガルでの抜歯ケースは難しいから非抜歯にしちゃえとかいう先生もいる。プロファイルはどーなるの?美しくなるために矯正するんじゃないのか?
実際、まえに受けた講習会の先生は下顎の叢生をとるのに下顎前歯1本抜きを勧めていた。ちょっとまってよ。それじゃあ咬頭嵌合ができないでしょう。装置によって診断が変わるなんてあり得ない。
今回の講習会のIncognitoは後発のリンガルブラケットですから、過去の物の欠点を良く考え、改良しています。良くできていると感じました。そんなにいいものならお前使うのか?と突っ込まれそうですね。リンガルブラケットのなかでは秀逸だと思います。しかし、システム上、技工士さんにセットアップしてもらう必要があります。その精度がある程度維持できればよいのですが、日本国内であれば顔のみえる技工師さんにお願いできます。ドイツだとそれは難しいですね。会社を信用するかという話になる。とくにこの度Dr.Wiechmannが作ったTOP-Serviceが3Mに買収されました。今後セットアップの精度が維持できるのか。課題があるとおもいます。
最短の治療時間で、最大の審美が得られるのはやっぱり唇側のブラケットだと思う。とくに日本人に多い難症例のケースではね。通常のケースならあまり変わらないかも。でも同程度の技術力であれば、やっぱり唇側のほうが早いかも。エビデンスはないです、経験則です。
唇側でも満足に治せない人もリンガルやるからね。こわいですね。
皆さん、基本ができてから応用にいきましょうね。